パーサ：　いまこの地上には、Ｊがほんとうに言いたかったことに可能な限り近い霊的な文書があるんです。そのなかの言葉は一つ残らず彼自身が語ったもので、それを著者が七年かけて書き記したのよ。どれかの宗教に都合よく編集されてもいないし、一般読者に受けるように変更されてもいない。最終的な編集は著者の女性にＪが指示して行われた。「トマス」とは違って、それは完全な表現であり、包括的な訓練でもある。宗教のハンドブックや倫理的な行動規範にしようというんじゃなくて、あなたがたが心に留めてさえいれば、あとは自然に進んでいく思考システムを提案したものです。
　幸い『奇跡のコース』として知られているこの教えは、夢の世界を変えようという強迫観念にとわれた組織をもう一つつくろうというのではく、夢を見ている者の心を変えることを目指している。自学自習のコースを通って一人一人がキリストに変容しようというもので、それが実現されるのはあなたとＪのあいだ、あなたと聖霊のあいだの心のレベルなの。この教えのおかげであなたは二千年前に比べて主からもっとたくさんのことを学べるんだから幸運よ──あなたのほうにその幸運を活用する準備がてきていればだけどね。それに彼はほんとうに主と呼ばれるべきなの。そう自称する人はたくさんいるけれど、病んだ人を癒し、死者を蘇らせる人はほかにはいません。
　人々がこれまでどうしても理解できなかったけれど、新しいミレニアムの夜明けに理解できるようになったことがあるの。Ｊのメッセージは同じだけれど、世界と心が広がったために、あなたがたの理解力が変化したのよ。Ｊだって人々が理解できる概念で人々を導くことしかできない。結局、神を省くすべてがメタファーですからね。でもとりあえずいま教えられるし、学べることがあるわ。
　前に、人々の心が平和にならなければ、世界が平和に暮らせる日は決してこない、と言ったでしょ。心の平和と真の力、それが『奇跡のコース』の大目標だけど、それをあなたの心のなかで達成するという独自の方法を示している。その結果として世界が変わるでしょうが、『奇跡のコース』はそのためにあるんじゃない。あなたのためにあるの。これは贈り物だけど、チャレンジでもある。「コース」はシンプルだよという人はいるけれど、容易だよという人はまずないでしょう。ときどき世界が変わったんじゃないかと感じるでしょうが、それは「コース」があらゆることの結果ではなくて原因に取り組んでいるから。世界って結果以外の何ものでもないでしょう？ま、世界はそうは思ってないけどね──でもこの世界なんてたいしたものじゃないのよ。

出典：神の使者 P118～120